「やめる」という判断は、「始める」より難しいことが多い。始めるときには期待があります。やめるときには、これまでの投資と感情が絡みます。しかし、やめることを先延ばしにするコストは、続けることのコストより大きくなることがあります。撤退の判断を、少し整理して考えてみます。
「やめたくない」と「やめるべきでない」は違う ¶
感情として「やめたくない」と、判断として「やめるべきでない」は、別の問いです。相談の場でよく起きるのは、この二つが混在したまま議論が進むことです。まず「自分はやめたくないのか、それともやめるべきでないと思っているのか」を分けることが、整理の出発点になります。感情を否定する必要はありません。ただ、判断の根拠として使うには、別の問いが必要です。
続けることのコストを可視化する ¶
撤退を検討するとき、「やめたら何を失うか」は考えますが、「続けたら何を失うか」は見落としがちです。時間、人、資金、注意力。これらは有限です。この事業を続けることで、他の何かに使えなくなっているリソースを書き出してみることが、判断の材料になります。撤退は損失ではなく、リソースの再配分です。
「いつまでに判断するか」を決める ¶
撤退の判断を先延ばしにする理由の一つは、「もう少し様子を見る」という選択肢があることです。様子を見ることは、判断ではありません。「いつまでに、何を確認して、判断する」という期限と条件を決めることが、先延ばしを防ぎます。期限は外部から来ることもありますが、自分で設定することもできます。
撤退後の話をする ¶
撤退の判断が難しい理由の一つは、「やめた後どうなるか」が見えないことです。撤退後に何をするか、どこにリソースを移すかを、撤退の判断と同時に考えることで、「やめること」が終わりではなく、次の始まりとして見えてきます。相談の場では、撤退後の話を先にすることもあります。
撤退の判断は、一人で抱えると重くなりがちです。第三者と話すことで、感情と判断を分けやすくなることがあります。単発の相談から始められますので、よくある質問をご覧ください。